昨晩、母江が友達のKさんに電話をかけたいけど、かからないというので、また電話の操作方法がわからないのだろうと思い、シリさんに頼んだ。
「へいシリ、Kさんに電話して」
『Kさんの携帯に電話をかけます』
ツルルルルルルル
『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』
「へいシリ、Kさんの自宅に電話にして」
ツルルルルルルル
『おかけになった電話番号は、、、』
おかしいな、電話番号が間違っているのかな?と思いよく確認したが、1ヶ月前に電話した番号と同じだ。
今朝、心配になったので、自転車でKさん宅に向かった。
家はひっそりとしていて呼び鈴もならないような状態だった。お隣さんの呼び鈴を鳴らして、インターホン越しで話をしたが、「よくわからない」と言うだけだった。
お向かいさんが家から出てきたので、「Kさんのことで何か知ってませんか?」と尋ねると、
「1週間くらい前にお亡くなりになりました」と心配していた通りのことが起こっていた。
1ヶ月くらい前に母江とパジャマを持って行った時は顔から精気が抜け落ちていて、以前の顔とはぜんぜん違っていた。
家に帰り、「Kさん、亡くなっていたよ」と母江に言うと、
「ええーー、そう、かわいそうなことしたねえ」と項垂れてしまった。
「かわいそうなことなんかしていないよ、この間、パジャマを持って行ったら、K さん喜んでいたよ。香典なんか持って行ったって死んじまったら、もう喜べねえもんな」