ラジオ体操を二人でして、ファミレスまで散歩を兼ねた朝食、帰宅後ゴミを出して、犬の散歩と洗濯とここまでルーティンをこなす。
9時にかかってくるはずの家族信託氏の電話を待ったが、少し時間があったので、銀行通帳の記帳と手紙を出しに郵便局へ行き投函した。帰る途中に電話が鳴った。
「すぐに帰宅するので申し訳ないが、掛け直してほしい」と告げた。
大事な話のようだったので、音声録音も準備して再び電話を待った。
氏は今回の父の相続でなぜ母江が遺留分侵害額請求をした経緯を訊いてきた。
氏が言うには、
「相続人の四人が現在、遺留分を支払うだけの十分な現金を持っておらず、逆に母 母江の財産が十分にあるのならば、遺留分侵害額請求を取り下げた方が良い。
遺留分侵害額請求が利益相反になり、母江を委託者、長男太郎を受託者とした、家族信託の契約が締結できず、母の財産を介護費などに使えなくなってしまっては、本末転倒」