Kさんから脚が悪くなって歩けなくなって服も買いに行けないとの知らせを数日前に受け取り、昨日のパソコン教室の後にKさん宅に行く予定だったが、すっかり疲れてしまった母江は昼寝を選んだ。2時間後に起きて翌日の朝と勘違いをして、朝の日課のラジオ体操を待っていた。
今日はディサービスもないので、Kさんに電話をしていた。
母「服を買ってきてあげるからどんなのがいいんだい?」
K「いいよ、いいよ、いらないよ」
母「そんなこと言わずにいいなよ、スカートかい?」
K「スカートはもう履けないからいらないよ。入院しなくちゃいけなくなったからねえ」
母「持って行ってあげるから、どこの病院だい?」
K「まだ家にいるんだよ。電話に出るだけでも這ってきてるからたいへんだよ」
母「やだねえ、とにかく持っていくから何がいるんだい?」
K「じゃあ、パジャマが欲しい」
母「わかった、パジャマだね」
K「じゃあ切るよ」
と言って切ってしまった。しかしKさんの住所はわからない。
三郎「なんで住所を訊かないんだい?」
母「住所録に書いてあるから大丈夫だよ」
三「その住所録がこの家にはたくさんあってどこに書いてあるかわからないんだよ」
母「わかるから大丈夫」
と言って探し始めた。「そんなもの探しても100年経っても見つからないよ」
と言っても言うことを聞く母ではないことは百も承知なのでそのまま放っておいた。
いつものことだが、話がなかなか前に進まない。