今朝はファミレスで母と父の話をした。これまでに何度も同じ話をしたが、また今朝も同じ話をした。
父は塗装屋で学歴は小卒。ただの勉強嫌いで不登校だったようだ。昔は「俺も田中角栄も小卒だ」とか言っていたが、角栄は小学校では級長に選ばれ、そのあと夜学に行って勉強をした秀才だから父とは全然違う。
親の遺産をそっくり相続して、商売上手な母のおかげでお金に不自由することなく、そして戦争など、子供時代の不遇から一転し、好きなことをやった。親が持っていた中野の家を売り、練馬に新築の家を建てたとき、家の中に池まで作った。なにしろ子供といっしょで水遊びが大好きなのだ。その家の家の池だけでは物足りず、庭にも庭園風の池や、500リットルもの巨大水槽を購入して、店に備え付け、喫茶店を始めた。この喫茶店は数年で飽きてしまって水槽は家に移された。そして旅行にハマり、長年にわたり、母と一緒に珍道中を繰り広げた。
晩年に気力、体力が衰えると、「死にてえ、死にてえ」と言っていたが、死期が近づいた時にはいよいよ悟ったのか、皆にお礼を言うようになった。特に母には苦労をかけたことをようやく察したのか「俺は幸せだ」を繰り返し言った。
そんな父が亡くなって明日で1年経つ。
