母江を日曜日のパソコン教室に連れて行った。今日の生徒さんも高齢者のおばあちゃんが３人、母江を入れて４人だった。
また先生に「何か覚えていることはありますか？」と訊かれ、
「何も覚えていません。お父さん亡くなってからすっかりボケてしまいました」
先生「何かやりたいことありますか？」
考えて答えが出ないようなので、三郎が横から「ワードで手紙でも書いて見たら？」と言ってワードを立ち上げた。
すると昔友達に書いた手紙が保存してあった。
母江「ああ、これでいいや」
三郎「これでいいやじゃなくて、なんか書いてみなよ」と言って新規でセットアップしてパソコンを母江に渡した。
すると、『お元気ですか。私はなんとかやつています。』とても認知症とは思えない、見事な一本指打法でパチパチとキーボードを叩き始めた。
「小さい『つ』を打つにはどうしたらいいんだい？」と、ところどころわからないことはあるがなかなか大したものだ。
頭はすっかり忘れているが、指が覚えているとしか思えない。編み物と同じなのかもしれない。
「またパソコンで手紙が書けるよ」と言って喜んでいた。
