日課のファミレス散歩から帰ってきて、ディサービスに連れて行くにはまだ余裕があったけど、準備をさせておかないと、いつまで経っても何もしない。
「今日は行く日だから、準備してね」と声をかけ、こちらも着替えなどの準備をして、昨日の家計簿などのデスクワークを済ませ、様子をみるとトイレに入っていた。トイレから出たタイミングで手を洗うように声掛けをしないと、手に便がついている場合もある。
声を掛けたがそのまま部屋に行ってしまった。リハビリパンツを探していたので、脱衣場のタンスの一番上から取り出して、手渡した。
「リハビリパンツは脱衣場のタンスの一番上に入っている、ともう100回以上言ったよ」
夕方に風呂に入る時は見えるように開けておくし、部屋には安心するようにリハビリパンツを1パック置いてあるのだが、今月から練馬区の補助での配達があるはずなので、部屋には置いていなかった。
とにかく自分でリハビリパンツを履かせて、手を洗わせて、玄関まで誘導した。
母江の準備したものをチェックすると財布が入っていた。お金は必要ないし、持って行くとトラブルの元になるので、取り上げて中身をチェックすると昨日入れた額より千円札が多く入っていた。
靴を履かせて門から出ると、なんか変だなリハビリパンツが見えている。なんでズボンを履いていないんだ?
上着が長めだったので、歩行器に捕まって前のめりになるまで気が付かなかった。
慌てて家に戻り、ズボンを履かせて再出発した。
ディサービスまでは母江の足でも家から10分ほどだ。途中で昨日食事をご一緒した母江の友達に会った。道路の反対側にいたので、手だけ振って、荷物を先にディサービスに届けて、介護士さんに母江の膝の湿布についての処置を頼んだ。
その間に母江は友達と話し込んで、止まってしまっただろうと思い、見てみると、別の気の利いた介護士さんが母江に連れ添って連れてきてくれた。
ミッションを終えて家に帰ろうとすると、先ほどの友達が、別の母江の友達と一緒にいた。その人が「皆さんお元気ですねえ」と声をかけてきたので、
思わず、「疲れました」と本音を漏らすと、
「ミシンがね、、」と私には関係がない話題を振ってきたので、そのまま何も言わず家に向かった。
家に戻りトイレに入ると母江が脱いだズボンと靴下が脱ぎ散らしてあった。ついでにシーツとベットカバーも外して洗濯をした。
そして財布のミステリーを解決すべく金庫を開けた。金庫の中のお金は母江のものなので、開けられるようにしてあるが、できることなら触って欲しくない。知らないうちに銀行通帳などを出してどこかにしまい忘れることがよくある。今回は月末にくる新聞の集金用に4千円を入れておいたものがなくなっていた。これでミステリーは解決したが、それ以外にも通帳が医療用をまとめたパックに入っていたし、お薬手帳が逆に金融用パックに入っていた。
そして沼田の老人ホームに電話をすると、今は空き部屋がない状態なので体験入居もできない状態とのことだ。
資料だけ郵送してもらえるように頼んだ。
チャイムがなり、リハビリパンツが配達された。