姫子の夫から母江に電話がかかってきた。名前を何にしよう?姫夫でいいか。
母江の受け答えしか聞けなかったが、ケアマネさんとの会話のように当たり障りのない返事しかしていないため、内容がわからなかった。
代わってほしいと言うので、代わりたくはなかったが、電話に出た。
弁護士を立てた姫子に対して腹を立てていているので、当然こちらの口調が荒くなっていた。
こちらの感情をすぐに察したのか、姫夫は至極冷静に対処してくれた。
自分は第三者なので、直接関わりてくはないとのことだったが、姫子と直接話ができない今、こちらとしては訊いておきたいことがあった。
向こうも同じ思いがあったのかもしれないが、まず「姫子が何か悪いことをしたか?」と訊いて来たので、それには答えず同じ質問を返した。
「私が何か悪いことしたか?私は話し合いがしたかっただけなのに、なぜ私に対して弁護士を立てた?」
姫夫が言うには姫子にとって私と次郎が怖かったとのことだ。「怖いだけで弁護士を立てるのか?」
との問いには
「毎日、休みなく働いていて、三郎が送ってくる長文のメールを読むこともできない状態だった」
そこまで長文のメールは私は書いた覚えはないし、第一私は長文が苦手だが、多分姫子は私以上に苦手だったと推測する。
「それと次郎との信頼関係が崩れていた」との答えだったが、要するに私も次郎と同類と扱われたのだろう。
「なので法的に解決をするためには弁護士を入れる必要があった」
その他、腹に溜めてあったものを吐き出した。できればこういう話を良識のある第三者を交えて兄妹4人で話し合いがしたかっただけなのに、姫夫と三郎が電話で話しても何の解決にもならない。
昨年6月に帰国してわけのわからない時に1回、その3ヶ月後の9月にもう1回話し合いをしただけで姫子は弁護士を入れた。