横浜から太郎が朝から来て、屋根修理のためトタン屋根をヘラでこすぎ取り掃除機で吸い取っていた。今日は4月ながら今年一番の暑さで苦労していたようであった。
三郎はいつものルーティンをこなした後、昨日秩父から帰ってきた時に食堂のカーテンレールが壊れていたのを見つけたので修理した。
銀行から電話で相続の書類の代表人のサインが抜けていたというので出向いてサインをした。最近うっかりミスが増えた。こうして人は認知症になっていくのかと思う。その後、ついでに母江が姫子に書いた手紙を郵便局にて投函。
手紙の内容は「一緒に住もうと言っていたことを忘れない」とか、なにが言いたいのかわからないのでわざわざ出さなくても良い、と言ったが、封筒に入れてあり、テーブルに置いてあったので気になったのだと思う。
母江が区役所に電話をかけてオムツを送って欲しいと言っていたが、同世帯の次郎の所得を高く設定してしまったためオムツを9割引きで買える資格は失っているので電話をかけると区役所の人が迷惑がると教えた。前にも何度か同じことを言ったが、認知症なのですぐに忘れてしまう。
気がつくと母江のベッドのシーツにうんちがついていた。ズボンは汚れていないのにリハパンを履き替える時に汚してしまうのだろうか?
急いでシーツを洗濯して、コインランドリーで乾燥させた。
太郎は夕食を食べずに帰るというので、風呂をためて母江を入れる。今日は風呂場の床も湯船もうんちカスが目立つくらいあった。入るのを躊躇したが、サハラ砂漠を旅している時に乗っていたトラックが壊れ、1週間ほど何もない村に滞在していたことを思い出した。
あの時、村の掘り下げ井戸の水が淀んでいて、家畜の糞や家畜そのものが落ちて死んでいた。文明圏からきたトラックの乗客たちは焚き火で湯沸かして飲んでいたが、湯沸かしてもうんこ水はうんこ水だった。しかし村人たちは湯沸かすことすらせずにガブ飲みしていた。
そのサハラも越え、しばらくすると乗客の誰かがトラックの貯水庫の蓋を閉め忘れ、そこから燃料のディーゼルが流れ込んでしまった。
旅を一緒にしていた気のあったオーストラリア人とうんこ水とディーゼル水とどちらの方が、体に悪いかという話になった。
彼によれば、うんこはナチュラルだがディーゼルはケミカルだからディーゼルの方が体に悪いとのことだ。
話が外れたが、まっナチュラルだし、飲むわけでもないからいいか、と思って風呂に浸かった。