母江に頼まれた葉書をポストに投函しようと外に出ると、
「電気メーターを調べさせていただきました」
とユニフォームを着た人が汗だくになりながら、話しかけてきた。
「暑いのにご苦労様です。ついでにちょっとお聞きしたいのですが、うちのどこにメーターがあるのでしょうか?」
突然変な質問をしてしまったのか、その人は少し慌てながら、
「すいません、今調べてみますね」と言いながら、端末を操作し始めた。
「あ、いいんです、ちょっと気になったもので。。あの、でもメーターがどこにあるかわからないのに、どうやってメーターの値を調べているのでしょうか?」
「それは無線でやっています」
一軒一軒調べて使用料をプリントして郵便受けに入れているということがわかった。
「私はニュージーランドに住んでいたのですけど、数年前にスマートメーターになってから人がチェックすることがなくなりましたが、そういうメーターじゃあないのですか?」
「東電さんのはそのようなメーターと聞いています。うちのは近くまで来ないとわからないタイプなんです。10年後にはそうなるかもしれません」
「わかりました。暑いのにご苦労様です」
日本がデジタルスマートになるのはいつの日だろう。