母江の友達で関西人の婆さんがいる。今日はその婆さんが来た。
このブログを書き始める前だから半年以上前の話だが、この婆さんがたまに母江を連れ出しすことがあり、ある日、二駅ほど離れたところでガレージセールをやっていて電話で母江を呼び出した。母江一人で電車に乗せるのは不安なのでついていった。そこには母江は以前行ったことがあるらしいが、なにしろ高齢の認知症だからうる覚えでその場所にたどり着けなかった。母江が婆さんに電話をかけて場所を確認しようとするが、なにしろ高齢者二人の電話のやり取りを聞いていると、まどろっこしいので、三郎が電話に出た。
「坂道があるやろ?その坂道を上がってなあ、少し行ってから、右に曲がるんや」
あまり知らない街並みを関西弁で説明されて、向こうも「なんやて?」とか言って耳も遠いようなので、こちらは大きな声で「だから、右とか左とかじゃあなくって住所とかわかりませんか?」と言ったら、
「そんなぞんざいな口の利き方あるやぁ!あんたとはもうしまいやね!!」と勝手に怒り出した。
そのまま電話を切られても癪に触るので、最後にこっちから
「ほな、サイナラ!」言ってから電話を切った。
以来しばらく顔を見せなかったが、最近また母江に会いにやってくるようになった。きっと向こうもそういったことを忘れてしまったのだと思う。