格安で作ってもらったマラウイ政府発行の渡航書の裏にザンビアのビザをもらい、それを持って国境へ向かいました。
考えてみると自分が日本人である証明も何もないのに、よく渡航書を発行してくれたものだと思います。
しかも国境ではパスポート抜きでなんの問題もなく、マラウイを出国して隣の国ザンビアに入国できました。
首都のルサカにある日本大使館で電話で話した大使館員に会いました。言葉は悪いですが、いかにも理屈でしか物事を考えないような小童役人という感じの人ででした。
パスポートの再発行の必要書類に記入をして、あとはひたすら待つだけです。
しかし、いつまで待ってもパスポートができません。1週間、2週間が過ぎ、結局3週間も待たされ続けました。
その間、サルベーションアーミーのキャンプ場にて、市場で買った七輪を使って毎日料理をしていました。
3週間待ってやっとできたパスポートは再発行なので、有効期限は盗られたものと同じで、当たり前ですが、今まで旅や働いてきた国のスタンプは消えてしまってまっさらです。
パスポートの紛失とともに、それまでの思い出も無くなってしまったように感じて寂しく思いましたが、今から思うと思い出は記憶の中に刻まれています。
特にマラウイではマラリアに罹り、治って動き出した途端にパスポートとお金を盗られて途方にくれましたが、その分たくさんの人たちに出会い、助けられ、自分でも知恵を絞りできる限りのことをしました。
結果としてとても良い経験ができたと思っています。