30年も前の話ですが、マラウイでンカタベイという町でマラリアにかかりました。
体がすごく怠くて病院に行ったらマラリアと診断されました。
入院を希望しましたが、薬をもらっただけで帰されました。
その時は湖畔にあるキャンプ場暮らしだったので、歩いて帰るのにもいつもより時間がかかりました。
もらった薬を飲む時に、白人キャンパーに
「その薬を飲むと今よりもっとキツくなるぞ」と言われました。
おそらく彼もマラリアにかかり同じ薬を飲んだ経験があるのでしょう。
(アフリカを数ヶ月以上旅していると予防薬を飲んでいても、約半数の旅人はマラリアに罹っていたように思います)
彼によるとその薬はマラリアの菌を殺すために他の優良菌まで殺してしまうとのことです。
彼の言った通り身体中が痛くなり、昼も夜も寝れないほどの状態が何日か続きました。
それでも1週間ほどでまた歩いて町まで行けるようになりました。
バスで移動して首都のリロングウェイに行き、安宿に泊まりました。
翌朝、シャワーを浴びるときにパスポートと全財産が入ったマネーベルトを外し、シャワーの上にあった木の棚に置きました。いつものように水シャワーを数分で済まし、手を伸ばしマネーベルトを取ろうとすると、ない!
全身から血の気が引きました。
シャワーの隣はトイレになっていて、便器に足跡が付いているのがわかりました。便器に乗られて、シャワーを浴びている間に隣のトイレから盗られてしまいました。
考えてみれば、アフリカを数ヶ月旅して、肌の色は真っ黒に日焼けしていましたが、それでもその安宿で一番色が白かったのは日本人の私でした。多分最初から目をつけられていたのかもしれません。
つづく