母江がディサービスから帰ってきて、少しすると介護士長さんから電話があった。
「母江さんには伝えましたが、忘れていると思いまして、来週の水曜日に編み物の好きな人がこちらの利用者さんでいまして、母江さんの話をしたらぜひ会いたいということで水曜日にこちらに来られますか？」
すぐそこに母江がいたので、
「水曜日ディサービスに行くの？」
「行くよ！」
「だ、そうです」
「わかりました。それともう一つ。今朝お風呂に入れた時に気がつきましたが、リハビリパンツに便失禁していましたけど」
「そうですか。実は妹の所に泊まって、お風呂入ったというもので、昨晩はこちらでお風呂に入らなかったんです。ただリハビリパンツに便失禁自体は珍しいことではありません。今朝はベッドが汚れていなかったので、大丈夫かと思っていました。すいません」
「そのお風呂に入ったというのが、昨晩なのか、その前の晩なのかもわかりませんよね」
「そうなんです。時間の順序まで覚えられません」
姫夫には便失禁のことをそれとなく言っておいたが、姫子の所でちゃんとやってくれたかどうかわからない。電話で確認をしてもどうなるわけでもないし、まして弁護士に書面で伝えてもなんの意味もない。
それに朝、自分で履き替える時は履き替えるが、今朝はしなかったということだ。
