今回は父の法要が主な理由ではあるが、母の癒し旅行のためでもあった。
母の高校の同級生と久しぶりに再会させたかった。昨日電話で連絡をとり、今日一日空いているとのことだった。
朝から何度か電話すると11時くらいに電話が繋がり、お昼をご一緒させていただいた。
お友達は一人暮らしだが、お花の先生をしていて、若い生徒さんとお付き合いしているだけあって高齢にもかかわらず、しっかりとしていた。
母との昔噺に花が咲き、ひと段落したときに気になっていたことを聞いてみた。
「こちらに来てから味噌汁が赤味噌ばかりですが、赤味噌が特産品ですか？」
「ええ、そうですね。赤味噌がお好みですか？」と訊くので、
「いえ、白味噌のほうが好きなんですけど、おばあちゃんが赤味噌ばかり使っていたのを思い出しました」と正直に答えると、兄が口を挟んだ。
「親父が赤味噌が好きだから赤味噌ばかりでたんだよ」
「なるほど、それでひねくれ者の俺が白味噌好きになったんだ」と答えた。
久しぶりに家族が揃うと、自分一人では思いもよらないことがわかる。
