お世話になった宿のおばちゃんから、「なぜテアラロアをやろうと思ったの?」と尋ねられたので、
「義理の父がこの間亡くなって、実の父も2年前に亡くなりました。彼らは90歳くらいです。彼らの老いと死は私に健康で動ける時間があまり残されていないことを教えてくれました。もし私にやりたいことがあるなら今やるべきだと思いました」と答えると、
「20年も前の話だけど、私の夫は51歳で、私の目の前で死んだわ。この農場で働いて働いて、なんのホリデーも取らなかった。人生はバランスが大事よね」と語ってくれました。
その宿を後にして、歩き始めました。運良く今日も素晴らしく良い天気でした。杉の木の森を抜けて電波塔を過ぎると、急に目の前が開けました。素晴らしい眺めです。その眺めに誘われて何も考えずに山を下って行ったら、アプリの地図のルートを大きく外れています。またやってしまいました。下った道を登りルートに戻り目印のオレンジマークを探しますと、柵沿いにありました。今度はすごい急勾配の下りで、ストックで身体を支えないと転がり落ちそうでした。
下り終えて、さらに砂利道を進むとこの辺りに今夜の宿のBirchwood Stationがあるはずですが、なかなか見つけられません。電話してみて道を訊くとようやく辿り着くことができました。今日の夕食はピザとコラックベイ以来のビールを堪能させてもらいました。