家には性格が粗暴なため皆から嫌われている次男が置いていった犬がいる。飼い主は粗暴だが、犬は人懐こい犬で犬好きの人には特に馴れ馴れしい態度で寄っていく。
今日は散歩の途中で歩行器を押しているお爺さんにあった。
爺「その犬はシェパードですか？」
私「シェパードの雑種と聞いています」
爺「いくつですか？」
私「すいません、兄の犬なので詳しくは知りませんが、3、４歳と聞いています」
爺「私が子供の頃シェパードを飼っていね。つい懐かしくて声をかけてしまった。ごめんなさいね」
私「いいえ、いいんですよ。お爺さんはいくつですか？」
爺「８４歳。昔飼ってたシェパードが肥溜めに落っこちてしまって、その子を助けるために、私も中に入ってしまってね。その匂いがね、２週間くらい落ちなかった。ちょっと触ってもいいかい？懐かしいなあ」
そう言いながら、そのお爺さん涙目になっていた。
その犬との昔の記憶が蘇ってしまったのだろう。
