以前にメールで母江はお墓参りに行きたし、韓国にも旅行に行きたがっているのでできれば三郎が日本にいる間にどちらも連れて行ってあげたい、と太郎に伝えたことがあった。太郎の家が無事に売れたが、10月末まで営業を続けて、そのあと片付けと引越しをして移設開店の準備とこちらでも商売をするつもりでいるようだ。
太郎はもう63歳にもなるのに、新しい店を開くための初期投資をしてそれを回収するより、なんでもいいからどこかで働いた方が良いと何度も言ってみたが、寝耳に水のようだ。
何より30年もどこにも旅行にも行かずにひたすら働いていたのだから、せめて今年いっぱいくらいは何もせずにのんびりしていてもバチは当たらない。
そんなにチョロチョロと何かをしたがるのは子年の生まれだからだろうか?
三郎の場合、高校を卒業して太郎と同じ店で修行をしていたが、8年間も働き続けて行きたい所に行けなかった弾みで、日本を脱出して5年間世界放浪の旅に出てしまった。
その放浪の旅からから帰国して居酒屋で2年働いたが、やはり日本の生活は性に合わなくて、オーストラリアで働こうとしようとしたが、直接行くのは勿体無いので、神戸から船で上海に向かい南下してオーストラリアに着くまで半年かかった。
ニュージーランドで結婚した時は休みが結婚式の1日しか取れず新婚旅行に行けなかったので、2年間働き3ヶ月ほどスペインとモロッコに新婚旅行をした。
もちろんバチは当たっていない。