いつものファミレスから帰ってきて、「今日はクリニックに行くので、準備をしてほしい」と伝え、洗濯機を回して、その間も何度も「準備ができた」かどうかを確認したが、なかなか準備が整わず、洗濯物を干し終わり、どうにか急かして家を出発。
玄関で「途中で手紙を出す」と言うので、封書を見たら、案の定63円の切手しか貼っておらず、そして、ディサービスに寄って「2、３日休む」と言うのもやめさせた。まだ頭の中ではすぐにこの家を出て、姫子のところか、太郎のところにしばらく居座るつもりなのかもしれない。
「14日日曜日は小学校の同窓会があって、19日はご近所さんも呼んでディサービスので会議もあるし、みんな予定で動いている。そのことを全部忘れて、話がぶっ飛んでしまって動いてもらっては困る」と伝えた。
クリニックはどうにか、遅れずに予約時間に到着。
コロナの5回目のワクチン接種を済ませた。15分ほど待機時間を利用して、簡単な認知症のテストを行った。
医「お名前言えますか」
母「何某 母江です」
医「おいくつですか？数えでなく、満でお答えください」
母「えーと、92です」
医「今日は何日だか分かりますか？令和何年ですか？」
母「令和4年」
医「何月ですか」
母「３月です」
医「ここは何をする機関だか分かりますか？」
母「え〜と、神経内科のようなところです」
医「桃、鳥、自転車、はい、なんて言いましたか？
母「桃、鳥、自転車」
医「後でもう一度尋ねますから覚えておいてください」
医「100から７を引いた数を順に言ってください」
母「100、93、86」
医「はい、いいですよ。野菜の名前をできるだけ言ってください」
母「大根、人参、牛蒡、、、ねぎ、、、、人参、、ほうれん草、大根、、、」
医「はい、さっきの覚えた３つは何ですか？」
母「わかりません、、、、自転車」
医「では見てください、これは爪切りです、消しゴム、洗濯バサミ、スプーン、ハンコ、しまいますね。何が入っていますか？」
母「洗濯バサミ、爪切り、ハンコかな？」
医「３つも言えました。すごいです。さっきの人は１つしか言えませんでした」
少しして、診察結果。
医「前回よりも１点、点数が上がっています。多分ご飯をよく食べるのが良いのでしょう。塩分と水分をよく摂るようにしてください」
三郎「塩分の取り過ぎはよくないと聞きますが。。」
医「それは若くて血圧が高い人ですね。この年齢の人で大事なのは食べたいものをしっかり食べること。食べれなくなると元気がなくなります。美味しいものって塩分が入っているんですよ。だから最後に味噌汁ぶっかけて食べると言うのはそれでいいですよ。塩分も水分も摂れますから」
帰宅後、昼ごはんを食べて、母江は店でミシンで創作活動。
夕方、また母江が証券会社の話をし始めた。嫌な予感。
母「証券会社に900万円預けてある」
このあいだまで600万円だったのに、今日は900万円になっていた。
母「GWが終わったから今度行ってくるよ」
三郎「もうこのあいだ電話して口座は解約したしまったと言われているでしょ」
母「そんなことないよ。わたしは知らないもの」
三郎「知らないじゃあなくて、忘れちゃうんだよ」
母「忘れないよ」
三郎「ほら、このあいだ562円の口座があるって証券会社から手紙が来たでしょ。900万円の口座があればこうやって手紙がくるよ」
こうして今日も１日が暮れていく。
